奥歯を失うと、これまで原因とされてきたたんぱく質の蓄積とは異なる仕組みでアルツハイマー病が悪化することを、広島大などのチームがマウスの実験で突きとめた。広島大が3日発表した。
認知症の一つのアルツハイマー病は、脳内にアミロイドβという異常なたんぱく質が蓄積することで症状が進むと考えられている。
赤川安正・広島大名誉教授らは、遺伝子操作でアルツハイマー病を発症するようにしたマウスに、暗い部屋に入ると電気ショックを受けることを覚えさせてから、左右の奥歯6本を抜いたものと残したものに分けた。約4カ月後に調べると、歯を残した方は7匹全てが暗い部屋に入らなかったが、抜いた方は10匹中6匹が入った。
どちらのマウスも脳内でアミロイドβが蓄積した面積に差はなかったが、記憶をつかさどる脳の海馬の細胞数は、歯を抜いた方が少なかった。アミロイドβの蓄積とは別に、海馬の細胞が減ることで学習や記憶能力が低下したと考えられるという。赤川名誉教授は「かむことによる脳への刺激や脳の血流量が減った影響ではないか。今後、解明したい」と話している。
上記の記事は朝日新聞【南宏美】から抜粋しています。
補足すると
アルツハイマー病悪化のメカニズムの一部が証明されたのは世界初とのことです。
マウスを使った実験ですが、
奥歯を失う つまり 噛み合わせ(咬合)喪失 の状態になると
学習・記憶能力が有意に低下し、
脳の海馬神経細胞数が有意に減少しえいることが分かったとのことです。