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第19回BBO研究会学術大会リポート|朝霞市の歯医者ならエスペレ歯科・ホープデンタルクリニック

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第19回BBO研究会学術大会リポート

第19回BBO研究会学術大会についてのリポート

私は現在朝日大学歯学部付属病院で研修医として勤務しております、根岸功と申します。今回行われた第19回BBO研究会学術大会に初めて出席させていただき、各先生方のお話を聞かせていただきました。若輩者ではありますが、私の思ったところを率直に書かせていただきますので何卒御容赦の程を宜しくお願い申し上げます。
さて、私は実はBBO治療について全く何も知らなかったという訳ではありません。幼い頃から現在に至るまでスプリントによる治療をして貰っていますし、山田敏輔先生の御著書「噛み合わせバカにしてると恐ろしい」(河出書房新社)も以前読ませていただきました。家庭内においても父の口から「BBO」、「噛み合わせ」、「バランス」等の言葉を幾度と無く耳にしました。ですので、BBO治療について朧げな知識は持っていたのです。しかしそれは本当に「朧げ」であって、知識がゼロではないという程度のものであった事を総会にて思い知らされました。
私は治療は受けた事があるものの、勉強会等には出席した事がありません。ですのでBBO治療についての基礎的な知識が不足しており、各先生方の非常に興味深いお話を聞きながらもその内容が私にとっては恥ずかしながら高度過ぎて分かり辛いという事が多々ありました。
そんな中、楠公孝先生の「日常臨床へのBBO理論の活用」と題したお話は非常に有難いものでした。お話の中で楠先生はBBO治療についての根本的な理論や治療について説明しておられて、BBO治療について初心者の私にとってそれは天の助けとも言うべきものでした。とは言え、その内容は驚きの連続でした。
「顎運動の中心は頭部重心の支点である環椎と一致し、歯突起である。」
「顎関節は顎運動の機能的中心ではあるが、上下顎共に容易に変形する為顎位は決定出来ない。」
「上顎は動く。」
これまで自分の中にあった「常識」とは違う、あるいは聞いた事の無い事柄の数々。その中でも個人的に一番印象的だった事は、
「歯牙が噛み合うと中枢神経系の活動が起こり、それによって筋活動が起こるので咬合が変化する。」
つまり歯を噛み合わせてしまうと咬合が変化してしまうので、咬合採得はワックスを噛み切らせないというBBO治療の根本的な理論へと繋がるのですが、では一般的な咬合採得だとどうなってしまうのか・・・。咬合紙を用いた咬合調整だとどうなのか・・・。そう考えると、少々背筋が冷たくなるような気がしました。
今回BBO研究会の学術大会で各先生方のお話を聞かせていただく中で、私はBBO治療とはそのような「怖さ」というものも秘めているような気がしました。それはBBO治療がという事ではなく、誤った歯科治療の怖さを明らかにしてしまうという意味での事です。BBO治療が「真理」であるとするならば、現在の歯科治療においては「真理」が本道ではないという事になります。歯が体に与える影響を考えると、それは非常に怖ろしい事であるように私は思います。
「咬合と全身は密接な関係にあり、咬合が悪いと生体全体に歪みが出てしまう。つまり、安易な治療は生体を破壊してしまう。」山村憲仁先生は「BBO療法におけるセファロの変化と医科歯科咬合治療連携の壁」と題したお話の中で、そのような趣旨のお話をされていました。また、清水敦先生と田村稔先生は「舌側矯正後にうつ症状を発症した患者の治療例」と題したお話の中で、誤った矯正治療によって顔貌の変化や不定愁訴、更には精神的な問題まで引き起こしてしまった症例についての考察をされていました。咬合が与える影響というものは決して小さいものではなく、非常に意味深いものであるという事をよく示していると思います。
BBO研究会に所属されている先生方はその事について深く理解をされているので、咬合を通して全身の健康に寄与する事が出来るでしょう。しかしながら、それを理解せずして治療を行うとどういう事が起きるか。また、理解していたとしてもBBO治療という「真理」を知らずして治療を行ったとしたらどうか。私はやはり非常に怖ろしく思います。
また一方で、BBO治療は「怖い」と思ってしまう程に「凄い!」とも感じました。特にそう感じたのは、西村仁先生の「BBO療法と統合医療 vol.2 BBO療法のゲノム検査による効果判定」と題したお話の中での事でした。西村先生は「BBO治療によってゲノム検査におけるガンのリスクが下がった」というような趣旨のお話をされていて、その検査結果の治療を行う前と後での差には本当に驚かされました。誤った治療は生体を破壊してしまいますが、BBO治療はガンのリスクをも下げてしまう。それは本当に凄い事だと思います。
ただ、その凄さを発揮する為には、様々な事について知らなければならないという事も実感しました。頭頸部の細かな解剖についてもそうですし、BBO治療の根本的な理論を説明する為には脳についての正しい知識も必要であるようです。また、治療において整体や整形外科に則った治療(理学療法、舌の機能療法)も必要との事。更に、BBO治療の効果を客観的に判定する手段として西村先生のお話にあったゲノム。勿論これだけではありませんが、本当に多くの知識が必要であると考えさせられました。
加えて咬合が全身と密接な関係がある以上、医者や整体師等他科との連携が不可避であるという事も感じました。歯科医師に出来る事は法律上限界があり、やはり他科との連携を深めながら患者の健康に寄与するという事が重要であるように思います。またBBO治療のメカニズムを証明する、あるいは効果を客観的に判定する上でもそういった連携というのは非常に意味のある事であるとも感じました。
以上のように様々な事を考えさせられ、また刺激を受けた1日でした。今回BBO研究会の総会に初めて参加させていただき、非常に意義深い時間を過ごす事が出来たように思います。本当に興味深いお話の連続でしたので自分にもっと知識があれば・・・と悔やむ気持ちもありましたが、それは今後の自分の課題として忘れずに胸の中にしまっておく所存
です。
学術大会にて発表された先生方、本当にお疲れ様でございました。そしてBBO研究会の先生方、本当にありがとうございました。個人的な事ですが来年度の入門コースに参加するつもりでおりますので、その時にはご指導の程宜しくお願い申し上げます。

根岸歯科医院(神戸市) 根岸功 (朝日大学歯学部付属病院研修医)


今回のBBO学術大会リポートは根岸巧先生に(根岸歯科医院・神戸市)ご協力いただきました。

BBO研究会は、噛み合わせとからだの関係を研究・治療の実践をしています。